要約
・小太り~肥満で、
・血糖がやや高めの中年者は、
・食生活に気をつけて、毎日30分の有酸素運動をして、
・半年間で体重を7%落とせば、
・何もしなかった場合に比べて(薬を使わなくても)、
・糖尿病になる確率を約半分に下げる事ができる!
糖尿病の前段階(前糖尿病)で来院される患者さんが多くいらっしゃいます。
「痩せましょう!運動しましょう!今日から!すぐ開始!」
「痩せたら何とかなります!」
というふうにアドバイスしていますが、その根拠がこの研究(DPP研究)です。
痩せてくれたら糖尿病化を防げる!アツくプッシュしています。
今痩せるか痩せないかで、その方の人生が変わってしまうかも知れないのです。
DPP研究について
DPP(Diabetes Prevention Program)は全米から27の糖尿病センターが参加して行われた大規模臨床試験で、生活習慣修正と薬物介入(インスリン抵抗性改善薬としてメトホルミンが投与)の効果が検討されました。
対象はBMI≧24(アジア系では≧22)の糖耐性異常者(空腹血糖値95~125mg/dl、75g糖負荷後2時間血糖値140~190mg/dl)で、白人、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系など様々な人種が含まれていました。これらの対象者(平均年齢51歳、平均BMI34)は無造作に、対照群、生活習慣介入群、メトホルミン投与群の3群に分けられた。生活習慣介入群では低カロリー・低脂肪食と1週間に150分以上(1日30分の運動を5日間)の運動をすることによって体重を7%減少させることを目標に積極的に生活習慣の指導なされました。指導は、最初の6か月間の間に担当のケースマネージャーによる16回以上の個人指導があり、その後は原則として毎月1回の個人ないしグループ指導です。
その結果、生活習慣介入群では介入開始6か月後で50%の者が体重の目標を達成しており、74%が運動の目標を達成できた。4年間の累積糖尿病発生率はコントロール群に比し、生活習慣介入群、メトホルミン投与群いずれにおいても低下(それぞれ、58%、31%の低下)した。
効果は生活習慣介入群のほうがメトホルミンの投与に勝る結果でした。
<対象>
平均年齢51歳
BMI≧24(アジア系では≧22)を抽出、平均BMI34
糖耐性異常者(空腹血糖値95~125mg/dl、75g糖負荷後2時間血糖値140~190㎎/dl)
白人、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系など様々な人種が含まれている
<方法>
無造作に、対照群、生活習慣介入群、メトホルミン投与群の3群に分けられた。
生活習慣介入群では低カロリー・低脂肪食と1週間に150分以上(1日30分の運動を5日間)の運動をすることによって体重を7%減少させることを目標に積極的に生活習慣の改善が指導された。そのために、最初の6か月間の間に担当のケースマネージャーによる16回以上の個人指導があり、その後は原則として毎月1回の個人ないしグループ指導がされた。
<結果>
生活習慣介入群では介入開始6か月後で50%の者が体重の目標を達成しており、74%が運動の目標を達成できた。4年間の累積糖尿病発生率はコントロール群に比し、生活習慣介入群、メトホルミン投与群いずれにおいても低下(それぞれ、58%、31%の低下)した。
健診で「肥満、血糖が高めです」を放置すると、糖尿病になりますよ?
すぐ対策を!大変な事になってしまうから。
糖尿病 予防
参考文献
Knowler WC, Barrett-Connor E, Fowler SE, Hamman RF, Lachin JM, Walker EA, Nathan DM; Diabetes Prevention Program Research Group.
Reduction in the incidence of type 2 diabetes with lifestyle intervention or metformin.
The New England Journal of Medicine. 2002;346:393-403.