日本人の死因上位の疾患を招く元凶とも言える「血糖値スパイク」は、「食後高血糖」とも言われています。空腹ではなく食後の血糖値がまるで靴の裏についたトゲトゲのスパイクのように跳ね上がることを指しています。
「食後値スパイク」は、摂食1~2時間後の血糖値が140mg/dLを上回る事
妊娠していない健常人で、摂食後に食後血糖値が140mg/dLを超えて上昇する事はほとんどありませんし、一般的には2~3時間以内に食前値に戻るとされています。
つまり、「食後高血糖」は、摂食1~2時間後の血糖値が140mg/dLを上回る場合と定義されます。
この「食後高血糖」は、空腹時の血糖値も高くなる本格的な糖尿病になってしまう前の状態に見られる事が多いです。
「食後値スパイク」の原因
血糖値スパイクは、糖質を多く含む飲食物を急激にとることで起こります。常日頃、糖質過多の食事をしていると一気に血糖値があがってしまいます。本来なら、血糖値が上昇すればインスリンが分泌されて血糖値が下がるのですが、食後高血糖が続いている人では、膵臓からのインスリン分泌が追い付かなくなります。
「食後値スパイク」は本格的な糖尿病になる前駆状態
食後高血糖になる状態が放置されてしまうと、遂には空腹状態でも適切にインスリン分泌が行えなくなり、血糖値がどんどん高くなってしまいます。そして、慢性的に血糖値が高い状態となり糖尿病に移行してしまいます。その後、10年から20年くらいにかけて神経、目、腎臓などに障害が起こり、これを糖尿病の三大合併症と呼んでいます。
「食後に採血する理由」
当院では、あえて「受診の1時間前にいつものパンを食べて」や「受診の1時間前にいつものおにぎりを食べて」受診頂く事があります。それは、食後の高血糖を治療ターゲットにしているからです。食べ方や食べ物、運動、内服薬、インスリン治療を工夫して、食後血糖160mg/dL以下を目指します。
「対策」
・糖質の多い飲食物を日常的に摂取する事は控える
・糖質の多い食べ物とは何か?を調べてみる
・糖質の多い物とは何か?を調べてみる
・食後に寝転がらない
・食後に軽く運動する
・「野菜→おかず(蛋白、脂質)→主食」の順に食べる
・主食の量はせめて、握りこぶし1つまでにする
・しっかり噛んで、じっくり味わう
・よく噛める、しっかり噛めるよう、歯のチェックをする
・まとめ食いをしない
「応用編」
グリセミック・インデックス(GI)について調べてみましょう