「インスリン治療=糖尿病の治療の終末段階」と思われる方は、今だに多いのでしょうか。
決してそうではありませんよ!
インスリンは膵臓のベータ細胞で作られ、血液中に分泌されています。
長期の高血糖状態によって膵臓がクタクタになり、インスリンを十分に作れなくなってしまいます。
「いろんな内服薬でムチを打たれているけど、もうこれ以上頑張れへん!助けて欲しい!」膵臓からの、このような悲鳴を聞き取ってあげましょう。
そのような状態には、外からインスリンを補い、膵臓を助けてあげる事が合理的です。
これが、2型糖尿病患者さんへのインスリン注射治療です。
インスリンはペプチドというアミノ酸が繋がったものなので、内服しても胃腸で分解されてしまいます。だから注射なんです。
食事療法と運動療法をきっちり続けながらインスリン治療を開始する事で、今まで服用していた薬(グリニド系、スルホニルウレア系)を減量できたり、中止できる患者さんもいらっしゃいます。
インスリン治療は、視力が低下した方にとっての眼鏡だったり、足腰が弱くなった方にとっての杖と捉えて頂ければと思います。