寒いはチャンス
寒いー。運動やる気出ない。
そんな気持ちになってしまうのは、当然です。
ところがですね、寒い環境中の方が脂肪細胞は熱を産生しやすくなるんですよ。
カロリーを消費する脂肪細胞に変わりやすいんです。
熱産生脂肪細胞は褐色脂肪細胞、ベージュ脂肪細胞
熱を産生しない脂肪細胞は白色脂肪細胞
です。
寒い環境が続くと白色脂肪細胞が熱を産生しやすいベージュ脂肪細胞に変わるとされています。
チャンスです。この時期に公園で小1時間ウォーキングして、脂肪を燃焼しやすい体質に変えてしまいましょう!
ここからは、もう少し難しい、専門的な話です。
脂肪細胞と血圧の話
痩せたら血圧が下がることが多いけれど、なぜ?
答えの一つとして、「脂肪細胞が減ったら、高血圧物質が減少するから」が挙げられます。
アンギオテンシンⅡという昇圧物質ですが、脂肪細胞が肥大化して数が増えると、この物質が増えるとされています。
脂肪細胞を減らしたら、この物質が減ります。
脂肪細胞と糖尿病の話
脂肪細胞が肥大化したり数が増えると、TNF-α、MCP-1といった悪玉因子が作り出されます。TNF-αはインスリンの働きを悪くし糖尿病発症に関わり、MCP-1が脂肪組織や血液中に増えて動脈硬化の発症、悪化に関与します。
こういう物質をアディポサイトカインと呼びますが、健康そうな若年成人でも、軽度の肥満でアディポサイトカインに変化が起き始めるという事を、武田病院勤務時代に調べ、学会発表しました。内臓脂肪の測定を特殊な装置(DUAL SCAN®︎)で行い、アディポサイトカインや各種代謝マーカーを測定して比較するという内容で、私自身とても勉強になりました。