あくまで目安ですが、災害時には食事も貴重、手元に残っている薬(特にインスリン)も貴重です。
何とか薬(特にインスリン)が途切れないように、以下参考にしていただけたらと思います。
また、かかりつけの先生にも予め相談・確認しておくようにしましょう。
災害時の経口血糖降下薬の服用方法について
食事が摂れない時は服用は止めておく |
脱水かも知れない場合(水・お茶が手に入らない):メトホルミン(メトグルコ)、ツイミーグは止めておく |
SGLT2阻害薬(尿に糖を排出する薬):災害時には止めておいてOK |
災害時のインスリン注射方法について
1型糖尿病患者さんは決してインスリン注射を中止しない事 |
持効型インスリン(トレシーバ、レベミル、ランタス、グラルギン)しか、手元にない場合
1型糖尿病患者さん | 1日に打つインスリン総量の50%を目安で注射 |
2型糖尿病患者さん | 1日に打つインスリン総量の30%を目安で注射 |
速効型・超速効型インスリン(フィアスプ、ノボラピッド、ルムジェブ、ヒューマログ、アピドラ、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト)しか、手元にない場合
1型糖尿病患者さん | 4~6時間ごとに1日に打つインスリン総量の6分の1を注射する |
2型糖尿病患者さん | 食事の度に4~6単位を目安に注射する |
インスリン製剤の保存方法について
未使用のインスリン製剤 | 冷蔵庫(2~8℃)で保存。凍らせないように。 |
使用途中のインスリン製剤 | 室温(30℃以下)で保存。 |
高温になる場所、直射日光のあたるところには、置かない事。
低血糖への対処
対処法として、糖質の摂取が必要です。
基本的には、ブドウ糖で対処する |
糖質には単糖類、二糖類、多糖類があります。
ブドウ糖は単糖類で、摂取すればすぐに小腸で吸収され、血糖値をすぐに上げてくれます。
ビスケットやごはんは多糖類で、唾液や消化酵素で分解され、単糖類となった後に小腸で吸収され、血糖が上がります。なので、多糖類を摂取した後は、すぐには血糖値は上がりませんが、ブドウ糖を摂取した後よりは長持ちします。
砂糖(ショ糖)は二糖類です。ブドウ糖と果糖がくっついて、できています。多糖類に比べて唾液、消化酵素で分解されやすいので、砂糖を舐めたら多糖類よりは速く血糖値があがります。
注意すべきは、ブドウ糖や砂糖で血糖値が回復しても、1時間後くらいにまた下がってくるかも知れないという事。すぐに吸収されてなくなってしまいますが、血中にインスリンが多量に残っていると、また血糖値が下がって来ます。
そういう時は、もう1回ブドウ糖10gを服用し、まずはすぐに血糖値を上げて、多糖類を摂取しましょう。
インスリン治療中である、内服薬で糖尿病治療を受けていてHbA1c7%未満、スルホニルウレア薬、グリニド薬を服用されている方は、ブドウ糖を用意しておく事をおすすめ致します。
<参考資料>
月刊 糖尿病ライフ さかえ 特集「災害に備える」2018年9月号