「負荷試験」という言葉を初めて知ったという方は、多いかと思います。
ホルモンの病気に関連する負荷試験は複数ありますが、目的は
・ホルモン分泌のパワーが落ちていそうな時に、刺激を与えて反応を確認する(刺激試験)
・ホルモン分泌のパワーが病的に過剰である事を疑うときに、どれくらい抑えられるかを確認する(抑制試験)
・障害部位が、上流なのか、下流なのかなど、部位を判別する(部位判定)
・腫瘍がありそうかを、判別する
などです。
以下、例え話です。
例えば、あなたが重量挙げチームの監督だと仮定しましょう。
教え子のAさんがいます。
以前は100kgのバーベルを10秒の間挙げる事ができていたAさん。
最近どうもAさんのパワーが落ちたのかな?と感じたら、どのようなテストをしますか?
100Kgのバーベルで負荷をかけ、それを持ち上げられるか?何秒間持ち上げられるか?を確認しますよね。
負荷試験もそれと同じ理屈です。
例えば、この方は血液中のブドウ糖(血糖)を下げるパワーが弱いんじゃないか?と疑う場合、一定量のブドウ糖を摂取してもらい、一定時間後に採血をしてどれくらいの血糖レベルなのかを確認すれば、血糖を下げるパワーを判定できます。
それが、ブドウ糖負荷試験です。75グラムのブドウ糖含有液を一気飲みしてもらい、一定時間毎に採血をして血糖値と血中のインスリン濃度を測ることで、その方の血糖を下げるパワーが判ります(75g経口ブドウ糖負荷試験)。
ちなみにカルピスウォーター350mlに含まれているブドウ糖量が15グラム。
75gブドウ糖負荷試験は、カルピスウォーター350ml5本分のブドウ糖を一気飲みしていただく検査です。
朝まで10時間以上の絶食(空腹)状態での血糖値が110mg/dL未満なら空腹時血糖値は正常域で、さらに75グラムのブドウ糖を飲んで2時間後の血糖値が140mg/dL未満であれば、「正常型」と判定します。
実際は、空腹時の血糖値が100~109mg/dLの時点で要注意なんですが、これについてはまた今後記してみたいと思います。